J-CASTニュースのパチンコ記事に違和感。

パチンコcredit: nghikr via FindCC

 J-CASTニュースにパチンコ人口が1000万人を切った事を伝える記事がありました。
パチンコ人口がピーク時の3分1に激減、1000万人を切る 「AKB48」や人気アニメを使った台に若者は来なかった:J-CASTニュース

 これを受けて、ニュースキュレーションサイトや、まとめサイトなどにも広く拡散しています。
パチンコ屋がガラガラで悲鳴!若者のパチンコ離れ!パチンコは金の無駄が定着:NAVERまとめ

 パチンコ人口が1000万人を切ったというのは、ある意味事実なのですが、記事中に気になる所が何点か。

ソーシャルゲーム課金でパチンコをするお金が無くなった

今大流行中のソーシャルゲームにハマる人が増えたからそちらに客を取られた、と考えている人もいる。ソーシャルゲームはゲームを進める上で必要なアイテムやキャラを得るため、「ガチャ」と呼ばれるスロットに課金する。欲しいものが現れるまで何回も回すため数十万円も出費した、などの報告もある。これにカネを吸い取られるためパチンコに行かなくなったというのだ。

 確かに、ソシャゲとパチンコのユーザーは重なる部分が多いので、ソシャゲにユーザーを取られているという事はあるとは思うのですが、金銭面よりも時間的な側面の方が大きいと思います。ソシャゲ課金は金銭の消費が前提ですが、パチンコは必ずしもそうではありません。パチンコやりながら、ゲームしている若者も見かけますが。ま、パチンコの魅力が無くなっているという事には変わりは無いと思います。

射幸性の上昇が客離れを招いた

まず、ここ数年の激しい客離れはパチンコをするのにお金がかかりすぎること。04年に風営法施行規則改正によってギャンブル性の高いパチスロの「4号機」が禁止されて以降は業界も自主規制で射幸心をあまり煽らないようなマシンの開発と設置を進めていたが、これが儲からないことが分かると徐々に射幸心を高める当たりの確率の少ないマシンが増えてくるようになった。客離れが進む一方で一人あたりの遊戯代が増えていった。メーカーの団体と遊技場を経営する団体の思惑が反発しあい、楽しく長く遊べるマシンがファンを増やすというメーカーの主張に遊技場を経営する団体は耳を傾けなかった。

 これは明確に違います。まず、スロットの5号機問題は、当初は射幸性が格段に落ちると共に、稼働も落ち、それから、徐々に出玉性能が上がるにつれて稼働も回復してきています。基本的には、射幸性と稼働は正比例になっています。

 射幸性の高い機械「しか」無いのが問題なのであって、射幸性が上がること自体は問題ではありません。稼働が下がったターニングポイントとしては、やはり広告規制なのではないでしょうか。射幸性が上がると、勝ち額は増えますが、勝つ人数は減ります。1位総取りではありませんが、それに近くなっていきます。そのような場合、ゲームに例えると参加人数を増やして、賭け金を増やす事が重要になります。なので、広告宣伝でどんどん煽る事になるのですが、それが広告宣伝規制によって禁止され、結果、射幸性だけが上がって行き、今の現状を招く事になります。なので、射幸性が上がる事自体は問題ではありません。

 メーカーの主張にホールが耳を傾けなかったというのもよく分かりません。確かに、数年前にはメーカーがパチンコの高ベース機をリリースしても買わなかったという事実はありますが、それらの機種が結果を残していないのも事実です。しかも、3個賞球との同時リリースでは尚更でしょう。

 かといって、メーカーが悪いというわけでもなく、これは年間の販売機種の増加や、それに伴う、在庫管理の問題、その他諸々の産業構造の問題であり、誰が悪いとかという事ではありません。

 ま、そういう事です。

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