宇佐美典也氏、ホールに突撃調査に行くも間違って北斗6を打っちゃうの巻。

釘調整Photo credit: 330mate.com via Visual hunt / CC BY-NC-ND

 宇佐美典也氏が久しぶりにパチンコの記事をアップしていたので見に行ってきました。あ、タイトルはあげ足取りっぽくなっていますが、そんなつもりはありません。

 私は業界に20年近くいますが、確かに宇佐美氏の指摘するように業界の常識は世間の非常識という部分はあると思います。ただ、業界内にいるといつしか慣れてしまい、感覚が麻痺してしまっている事もあるでしょう。そういった意味では業界外の方々が指摘する事によって、業界内の「気付き」のきっかけになれば良いなぁと思っています。

 さて、今回、宇佐美氏は新宿のエスパスで北斗の拳6を4,000円程打って、その結果からエスパスが釘をいじっている=無承認変更を行っていると結論づけています。

結果としては以下の通りでした。
①ヘソ入賞    :72回
②一般入賞口入賞 :2回
③合計払い出し個数:3×72+7×2=230個
④想定役物比率* : 1-(230/(1000×0.95))≒75.8%
(*還元率を95%と想定)
ということです。やや雑な議論ですがパチンコにはほとんど技術介入性がないので、仮に役物比率の平均を法律上の上限の70%として標本が標準偏差が3%くらいの正規分布に従うとすると、この台は95%くらいの確率で釘をいじっているということになります。
まぁそりゃあたり前の話でメーカーがそもそも釘をいじること前提で作った台を回収せずに放置している状況ですから、ホールとしても営業のために釘をいじり続けるしかないという 当然の結果が今起きています。メーカーとしてはホールに責任を押し付けて知らぬ顔しているわけです。本来ならばこのような釘の水準で営業したら、営業停止処分ものなのですがね。。。via: BLOGOS

 細かい数値はまぁ、宇佐美氏は専門家ではないので置いといて、流石に4,000円のサンプルは少なすぎるだろうと思うんですよ。データとしての信憑性はかなり低いですよね。

 で、なんでエスパスなのか?北斗の拳6なのか?は、ギャンブル依存症問題を考える会の田中代表のブログに書かれています。

え~っとですね、先日宇佐美さんとお食事しながら、
色々ご助言頂いたことは先日のブログで書いた通りですが、
そのついでというか、それがメインだったというか、
「パチンコって新しい台は不正改造やめたんでしょうか?」
という素朴な疑問があって、その調査に行ってきました。
と言っても、私が打つ訳にもいかず(笑)
しかも打っても良く分からないし、
宇佐美さんに打って貰って、私は結果を聞いたわけですけど、
やっぱ、「新台も相変わらず変わってない・・・」ってな結論が出て、
「え~、びっくり!」ってな気持ちです。
(中略)
ちなみにこの日拓さんを選んだのは、
大した意味はないですけど、神田うのちゃんのご主人の会社なので、
私がリクエストした次第です。via: in a family way

 なるほど。エスパスを選んだのはノリとして、北斗の拳6に関しては、新台の不正改造の有無を調べる為に選んだという事のようです。ここでいう「新台」とは、最近リリースされた台という意味で、新台入替で導入された台という意味ではないですよね。盤面は甘デジではなくマックスのようですね。北斗の拳6って2014年10月リリースのバリバリの旧基準マックスなんですが…。

 ピーワを見ると増台している様なので新台入替えで導入された中古機を、最近リリースされた新台と間違えちゃったんでしょうか?パチンコ歴14年の宇佐美氏らしからぬ凡ミスです。宇佐美氏の記事ではそこら辺は理解している感じもするので、ひょっとしたら2人の連携が取れていないのかもしれませんね。

 因みに宇佐美氏の記事のこの部分・・・

なおこのホールでは私が見る限り業界が喧伝している「のめりこみ防止に関するポスター」が貼られていなかったことを併せて申しておきます。via: BLOGOS

 これに関してはTwitterでは、ポスターを見たという書き込みがあったので紹介しておきます。

 で、田中代表のこの部分・・・

まぁ、ハッキリ言って、どこでも良かったといえば良かったんですけど、
逆に言えば、神田うのちゃん、伊東美咲さんがパチンコ屋さんの社長と結婚したってことぐらいしか、私にとって親近感がなかったからですね。via: in a family way

 京楽はパチンコ屋じゃなくてメーカーですよ…。

 宇佐美氏の一連のパチンコ批判の根拠って例の「遊技機性能調査」の結果だと思うんですが、これって6ヶ月で715台なんですよね。警察庁発表の平成27年末のパチンコの設置台数は2,906,021台なので、0.026%です。宇佐美氏の記事によるとパチンコの設置台数は350万台との事なので、それだと0.02%です。この数値ってサンプルとしてどうなんでしょう。統計の知識は無いので分かりませんが、こういうのって「数」なんですかね、確かに715台って聞くと多い気もしますが、0.02%って聞くともの凄く少なく感じます。

 そもそもこの遊技機性能調査って役物比率を調査する為のものではなく、一般入賞口の入賞「個数」を調べる調査なんですよね。で、この調査の結果がきっかけで、過去の出荷した機械を調べた所、検定機と異なる性能となっている「可能性」があり、だから業界をあげて、回収・撤去しましょうという話でなのであって、宇佐美氏の言うように「ウチら、不正改造をしていましたサーセン。急いで回収するから許してちょ。」という話ではないんです。

 まぁ、確かにこの対応はプロレス感満載なので、宇佐美氏の指摘も理解はできるのですが、僅か0.02%のサンプルで「お前ら全員、不正改造してるんやろ!とっとと回収せい!」では無く「おいおい、751台も調査して1台も検定機と同じ性能ないのかよ!もっとサンプル数増やすために調査しろよ!」の方が説得力あると思うんですが、いかがでしょう。

 人様を批判する時はきちんと批判しましょうよ。4,000円程度の調査で、店舗名晒して無承認変更を断定するような事言ったり、新台と中古の区別もつかなかったり、ホールとメーカーの違いも分からない人に批判されたくないですよ。真面目に取り組んでいる人に失礼じゃないですか。

 あ、因みにパチンコ業界を批判したいなら、不正改造ではなく、もっと攻めやすい所あると思いますよ。

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